
ピコレーザーにはさまざまな種類があり、照射モードや機器ごとに特徴が異なります。
シミやそばかすを集中的に治療する方法もあれば、肝斑やくすみを全体的にケアする方法、毛穴やニキビ跡など肌質の改善を目指す方法もあります。
また、機器ごとに得意とする肌悩みが異なるため、その点も理解して選ぶことが大切です。
この記事では、ピコレーザーの種類について詳しく解説します。
自分に合ったピコレーザー治療を受けるポイントもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
ピコレーザーとは
ピコレーザーとは、ピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い時間で照射する医療用レーザー機器です。
従来のレーザーはナノ秒(10億分の1秒)単位でしたが、それよりもさらに短い時間で照射できる点が大きな特徴です。
シミやそばかす、肝斑、くすみ、ニキビ跡、毛穴の開きなど、さまざまな肌悩みに対応できます。
照射時間が短いことによって熱が広がりにくくなり、周囲の皮膚への影響を抑えやすいメリットがあります。
さらに、ピコレーザーには『ピコスポット』『ピコトーニング』『ピコフラクショナル』という3つの照射モードがあり、これらを使い分けることによって、幅広い肌トラブル・肌質にアプローチすることが可能です。
ピコレーザーの照射モードは3種類
ピコレーザーには、目的に応じて使い分けられる以下の3つの照射モードがあります。
- ピコスポット
- ピコトーニング
- ピコフラクショナル
ここでは、上記3つの照射モードの特徴についてそれぞれ解説します。
ピコスポット
ピコスポットは、気になるシミやそばかすなどをピンポイントで治療する照射モードで、いわゆる『シミ取り治療』です。
シミやそばかすなどの気になる部分に高出力のレーザーを当てることで、衝撃波の力を利用してメラニン色素を細かく砕きます。
濃いシミだけでなく、アザやタトゥー、アートメイクの除去などに用いられることもあります。
照射時には輪ゴムではじかれるような痛みを感じる場合がありますが、照射時間が短いため、基本的には麻酔を使用しないケースが多いです。
濃いシミが多い場合は、色ムラが残ってしまうケースがあるため、ピコトーニングやピコフラクショナルを併用して治療を行うこともあります。
出力の強いレーザーを使用するため、1、2回程度の施術で効果を実感する方が多いです。
ピコトーニング
ピコトーニングは、低出力のレーザーを顔全体にまんべんなく照射するモードです。
広範囲に均一に当てることで、薄いシミやくすみ、肝斑などの改善を目指します。
ピコスポットのように強い出力ではなく、肌へのダメージを抑えながらメラニン色素を少しずつ破壊していきます。
従来のレーザーでは悪化する可能性があるといわれていた肝斑に対しても、低出力のレーザーであれば改善が期待できます。
効果の現れ方には個人差がありますが、基本的に5~10回程度の施術が推奨されます。
ピコフラクショナル
ピコフラクショナルはシミだけでなく、肌質の改善も期待できる照射モードです。
特殊なレンズを通してレーザーを点状に照射し、目に見えないほどの小さな穴を肌に開けます。
照射部分では肌細胞の再生が促され、その過程でコラーゲンやエラスチンの生成が促され、毛穴の開きやニキビ跡の凹凸、小じわなどの改善が期待できます。
1回で肌全体が入れ替わるわけではないため、5~10回程度の施術を重ねて肌質の変化を目指す治療方法です。
ピコレーザーの代表的な機器の種類

ピコレーザーには複数の機種があり、それぞれ搭載している波長やパルス幅に違いがあります。
代表的な機器として知られているのが、以下の4つです。
- ピコシュアプロ
- ピコウェイ
- エンライトン
- ディスカバリーピコ
ここでは、上記4つの機器の特徴についてそれぞれ解説します。
ピコシュアプロ
ピコシュアプロは、アメリカのサイノシュア社が開発した機器で、世界で初めて実用化されたピコレーザーである、「ピコシュア」の後継モデルです。
755nmの波長を搭載しており、アレキサンドライトレーザーに分類されます。
メラニンへの反応が高く、シミやそばかすへの照射に用いられることが多い機種です。
アザ治療やタトゥー除去の治療に用いられることもあります。
また、ハンドピースを変更することでフラクショナル照射も行えるため、毛穴やニキビ跡などの肌質改善を目指す治療にも活用されています。
ピコウェイ
ピコウェイは、世界でも有数のレーザー会社の一つ、シネロンキャンデラ社が製造している機器です。
532nm、730nm、1064nmの3つの波長を搭載している点が大きな特徴で、色素の深さや種類に応じた使い分けが可能です。
パルス幅が比較的短く、熱ダメージを抑えながら照射できる設計となっています。
シミやそばかす、肝斑、タトゥーなど、さまざまな色調の色素に対応可能です。
エンライトン
エンライトンは、アメリカのキュテラ社が開発した機器で、532nm、670nm、1064nmの波長を搭載しています。
改良を重ねたモデルもあり、ピコ秒とナノ秒のパルス幅を使い分けられる点が大きな特徴です。
ナノ秒で大きな色素を砕き、その後ピコ秒でさらに細かく粉砕するという仕組みが採用されています。
これにより、濃いシミや大きいシミにも対応可能です。
さらに複数種類の波長を使い分けることにより、毛穴やニキビ跡などの改善も目指せます。
シミ治療と美肌治療の両方を行える点が特徴の機器です。
ディスカバリーピコ
ディスカバリーピコは、イタリアのクアンタ社が製造している機器です。
532nm、694nm、1064nmの3つの波長を搭載している点が特徴で、694nmはルビーレーザーに分類されます。
ピコ秒での照射に加えて、ナノ秒での照射も可能なため、色素の状態に応じた使い分けができます。
カラータトゥーやさまざまなシミ・くすみ・色ムラへの治療が行える機種です。
さらに、フラクショナルハンドピースを用いることで、ニキビ跡や小じわなどの肌質改善を目指す治療も可能です。
自分に合ったピコレーザー治療を受けるポイント

自分に合ったピコレーザー治療を受けるポイントは以下の通りです。
- 肌悩みに適した照射モードを選ぶ
- さまざまな肌悩みに対応できるピコレーザー機器を選ぶ
- 肌の状態に適した回数・頻度で施術を受ける
- 複数の施術方法を組み合わせる
ここでは、上記4つのポイントについてそれぞれ解説します。
肌悩みに適した照射モードを選ぶ
まずは自分の肌悩みに適した照射モードを選ぶことが大切です。
照射モードごとの対象となる肌悩みは以下の通りです。
| 照射モード | 肌悩み |
|---|---|
| ピコスポット | シミ、そばかす、ADM、タトゥーなど |
| ピコトーニング | 薄いシミ、くすみ、肝斑など |
| ピコフラクショナル | 細かいシミ、小じわ、ニキビ跡、毛穴の開きなど |
また、患者さんの希望や生活スタイルによっても選択が変わります。
例えば、ダウンタイムをできるだけ短くしたいのか、多少時間がかかっても濃いシミを集中的に改善したいのかによって適した方法は異なります。
自己判断だけで決めるのではなく、肌の状態を診てもらったうえで提案してもらうことが大切です。
悩みの優先順位や希望する仕上がりを具体的に伝えることで、より自分に合った方法を選びやすくなります。
さまざまな肌悩みに対応できるピコレーザー機器を選ぶ
施術を受けるクリニックを選ぶ際は、導入しているピコレーザー機器の種類も確認しておきましょう。
機器によって搭載している波長やパルス幅が異なるため、対応できる症状にも違いがあります。
複数の機種を取り扱っているクリニックであれば、肌の状態に合わせて機器を選択してもらえる可能性があります。
比較的新しいモデルでは、波長の種類が多く、浅いシミから深い色素まで幅広く対応できる設計のものもあります。
また、カウンセリングで機器の特徴やリスクについて説明があるかも重要なポイントです。
納得したうえで治療を受けることで、不安を減らしやすくなります。
肌の状態に適した回数・頻度で施術を受ける
ピコレーザーは1回で変化を感じる場合もありますが、複数回の施術が提案されることも少なくありません。
効果を実感するためには、肌の状態に適した回数・頻度で施術を受けることが大切です。
照射モードごとの施術回数・頻度は以下が目安となります。
| 照射モード | 施術回数 | 施術頻度 |
|---|---|---|
| ピコスポット | 1~2回 | 医師と相談 |
| ピコトーニング | 5~10回 | 4~6週間に1回 |
| ピコフラクショナル | 5~10回 | 4~6週間に1回 |
これらはあくまでも目安のため、医師と相談しながら次回の施術日を検討しましょう。
複数の施術方法を組み合わせる
肌悩みによっては、複数の施術を組み合わせる方法もあります。
例えば、濃いシミにはピコスポットを行い、顔全体のくすみにはピコトーニングを併用するといった治療も可能です。
また、レーザー以外の治療と組み合わせることで、よりバランスのよい仕上がりを目指すこともできます。
自分の希望や生活スタイル、予算なども含めて医師に伝えることで、無理のない治療計画を立てやすくなります。
ピコレーザーに関するよくある質問

ピコレーザーに関するよくある質問をまとめました。
- ピコレーザーはどんな人におすすめ?
- ピコレーザーはどのくらいで効果を実感できる?
- ピコレーザーの施術頻度は?
ここでは上記3つの質問についてそれぞれ解説します。
ピコレーザーはどんな人におすすめ?
ピコレーザーは、シミやそばかす、くすみ、肝斑、毛穴の開き、ニキビ跡、小じわなどが気になる方におすすめの治療です。
メラニン色素に対するアプローチだけでなく、肌質の改善を目指す施術もあるため、幅広い悩みに対応可能です。
例えば、濃いシミを取りたい場合はピコスポット、薄いシミ・くすみ・肝斑が気になる場合はピコトーニング、毛穴やニキビ跡の凹凸が気になる場合はピコフラクショナルで改善が期待できます。
また、従来のレーザーで強い刺激が不安だった方や、ダウンタイムをできるだけ短くしたい方にもおすすめです。
ただし、すべての肌質や症状に適しているわけではないため、希望の条件も含めて医師に相談してみましょう。
ピコレーザーはどのくらいで効果を実感できる?
効果を実感できるまでの期間は、照射モードや肌の状態によって異なります。
- ピコスポット:1~2回程度
- ピコトーニング:5~10回程度
- ピコフラクショナル:5~10回程度
上記はあくまでも目安で、効果の現れ方には個人差があります。
肌の状態や生活習慣、紫外線対策の有無なども影響するため、焦らず経過を見ながら続けることが大切です。
ピコレーザーの施術頻度は?
ピコレーザーの施術頻度は、照射モードや目的によって異なります。
照射モードごとの大まかな目安は以下の通りです。
- ピコスポット:医師と相談
- ピコトーニング:4~6週間に1回
- ピコフラクショナル:4~6週間に1回
適切な間隔を守らずに施術を重ねると、肌に負担がかかる可能性があります。
必ず医師の指示に従い、肌の状態に合わせた頻度で施術を受けましょう。
まとめ
ピコレーザーには『ピコスポット』『ピコトーニング』『ピコフラクショナル』の3つの照射モードが搭載されており、それぞれ得意とする肌悩みが異なります。
また、『ピコシュアプロ』や『ピコウェイ』などをはじめとする機種によっても、搭載している波長や照射の特性が変わる点も理解しておきましょう。
どの種類が適しているかは、シミの濃さや範囲、肝斑の有無、肌の状態によって異なります。
自己判断で決めるのではなく、医師の診察を受けたうえで、自分の悩みや希望に合った種類を選ぶことが大切です。
あや皮フ科クリニックでは、ピコシュアプロによるピコレーザー治療を行っています。
シミやシワ、ニキビ跡など幅広い肌悩みに対応可能なため、ピコレーザー治療を検討中の方はぜひ当院までご相談ください。
監修者情報
あや皮フ科クリニック 院長
山口 綾(やまぐち あや)医師
資格・所属学会
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 正会員
- 日本美容皮膚科学会 正会員
略歴
- 2005年香川大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院皮膚科、京都医療センター皮膚科、宇治武田病院皮膚科医長等を経て、2019年に京都市上京区にて「あや皮フ科クリニック」を開院。
- 一般皮膚科から美容皮膚科まで専門知識に基づき幅広く対応し、日々診療を行っている。
- 院長ごあいさつ
https://aya-hifuka.kyoto/greeting.html