
ピコレーザーはシミやくすみ、ニキビ跡などの改善が期待できる美容医療です。
幅広い肌トラブルに対応する治療として注目されていますが、施術を検討する際に多くの方が気になるのがダウンタイムの期間や症状です。
赤みやかさぶたはどのくらい続くのか、仕事や予定に影響はないのかと不安に感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、ピコレーザーのダウンタイムについて詳しく解説します。
ダウンタイム中の過ごし方や化粧の再開時期などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
ピコレーザーとは
ピコレーザーは、1兆分の1秒という『ピコ秒』単位でエネルギーを照射するレーザー治療で、主にシミやくすみ、肝斑などの改善に用いられています。
これまで一般的だったレーザーは『ナノ秒』という単位で照射していましたが、ピコレーザーはそれよりもさらに短い時間で照射します。
従来のレーザーよりも照射時間が短いため、周囲の皮膚への熱の影響を抑えながら、メラニン色素をより細かく砕くことが可能です。
また、熱によるダメージが比較的少ないため、治療後の赤みや腫れが短期間で落ち着きやすいメリットもあります。
ダウンタイムが短い傾向にあることから、日常生活への影響をできるだけ抑えたい方にも適した治療方法といえます。
ピコレーザーのダウンタイムの目安

ピコレーザーのダウンタイムは、照射モードや出力の強さによって異なります。
一般的には数日から1〜2週間程度が目安とされますが、赤みや腫れの出方には個人差があります。
ここではピコレーザーの3つの照射モード、『ピコトーニング』『ピコフラクショナル』『ピコスポット』のそれぞれのダウンタイムの目安について見てみましょう。
ピコトーニング
ピコトーニングは、低出力のレーザーを顔全体にまんべんなく照射する方法です。
くすみや薄いシミ、肝斑などを少しずつ目立ちにくくする効果があります。
ダウンタイムは比較的短く、数時間から半日程度が目安です。
施術直後は軽い赤みが出ることがありますが、当日から翌日には落ち着くケースが多いです。
また、乾燥や軽いかゆみを感じることもありますが、保湿をしっかり行うことで徐々に落ち着いてきます。
効果の現れ方には個人差があり、複数回の施術を重ねることで変化が期待できる治療方法です。
ピコフラクショナル
ピコフラクショナルはレーザーを細かい点状に照射し、シミだけでなく毛穴の開きやニキビ跡、小じわなどの改善を目指す照射モードです。
ダウンタイムは個人差がありますが、半日~1日程度が目安となります。
施術直後は顔全体に赤みが出やすく、軽い腫れやヒリヒリ感を覚えることがあります。
回数を重ねながらシミや肌質の改善を目指す治療といえます。
ピコスポット
ピコスポットは、濃いシミやそばかすなどを狙って高出力のレーザーを照射する方法です。
ピンポイントでメラニン色素を破壊するため、ほかの方法に比べてダウンタイムは長めになる傾向があります。
ピコスポット施術直後は軽いやけどのような状態になり、赤みや腫れ、内出血が見られることがあります。
その後シミの部分に数日で茶色~黒いかさぶたができ、一時的に元のシミの色より濃い状態になります。
かさぶたは1〜2週間ほどで自然に剥がれていきます。
クリニックによっては、照射部位をテープで保護する場合もあります。
かさぶたが取れたあとは一時的にピンク色の肌色になります。
薄いシミの場合はそのまま時間の経過とともに周囲の皮膚に馴染んでいくこともありますが、ある程度の濃さがあるシミは、炎症後色素沈着といって、茶色に変化する場合が多くあります。
一度取れたシミがまた戻ったように見えるため、戻りジミと呼ばれることもあります。
炎症後色素沈着は、肌質や生活習慣によって個人差がありますが、通常は3ヶ月〜半年程度、長い場合は1年程度かけてゆっくりと薄くなっていきます。
ピコレーザーのダウンタイム中に起こることがある症状

ピコレーザーのダウンタイム中に起こることがある症状として、以下の3つが挙げられます。
- 赤みや腫れ
- かさぶた
- 色素沈着
ここでは上記3つの症状についてそれぞれ解説します。
赤みや腫れ
赤みや腫れは、ピコレーザー後に比較的よく見られる症状です。
レーザーの刺激に対する肌の自然な反応で、施術直後から数日程度続くことがあります。
数日以内に自然に落ち着いていく場合が多いですが、赤みや腫れが強く出てしまうケースもあります。
そのような場合には、保冷剤や冷たいタオルで患部を冷やし、症状を和らげましょう。
ただし、強く押し当てたり長時間冷やしすぎたりしないよう注意が必要です。
赤みがある間は患部の摩擦を避け、刺激の少ないスキンケアを心がけることも大切です。
かさぶた
ピコスポットのように高出力でピンポイントに照射する施術では、治療部位にかさぶたができることがあります。
これはレーザーによって色素が変性し、その部分が回復していく過程で生じる自然な反応です。
数日後に薄いかさぶたが形成され、1〜2週間程度で自然に剥がれ落ちていきます。
かさぶたができると気になってしまう方も多いですが、無理に剥がさないように注意しましょう。
洗顔やスキンケアはやさしく行い、十分な保湿を続けることが大切です。
かさぶたが自然に取れたあとは、一時的にピンク色の肌が見えることがありますが、時間とともになじんでいきます。
経過に不安がある場合は、施術を受けたクリニックに確認しましょう。
色素沈着
レーザー後の肌は一時的に色素沈着が起こることがあります。
時間の経過とともに徐々に薄くなっていく場合が多いですが、回復までの期間には個人差があります。
色素沈着を防ぐためには、日焼け止めをこまめに塗ったり、帽子や日傘を活用したりすることが大切です。
時間が経っても色が薄くならない場合や心配な症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
ピコレーザーのダウンタイムが短い理由

ピコレーザーは、従来のレーザー治療と比べてダウンタイムが比較的短い治療方法です。
その理由として、以下の2つが挙げられます。
- ピコ秒のパルス幅で肌への負担を抑えられるため
- メラニン色素の排出を早められるため
ここでは、上記2つの理由についてそれぞれ解説します。
ピコ秒のパルス幅で肌への負担を抑えられるため
ピコレーザーの大きな特徴は、1兆分の1秒という非常に短い時間でレーザーを照射できる点です。
この短いパルス幅により、狙ったメラニン色素に集中的にエネルギーを届けることができます。
照射時間が長いと熱エネルギーが周囲の組織に広がりやすくなりますが、ピコレーザーはその影響を抑えることが可能です。
熱が広がりにくいことで、やけどのような強い反応や長引く赤みが起こりにくい傾向があります。
従来のレーザーと比べてダウンタイムが短いのは、この特徴によるものです。
メラニン色素の排出を早められるため
ピコレーザーは、メラニン色素を衝撃波で細かく粉砕する仕組みを持っており、細かく分解された色素は体の代謝作用によって排出されやすくなります。
ただし、代謝のスピードには個人差があるため、効果の現れ方や回復までの期間は人それぞれです。
ダウンタイムをできるだけ短くするためにも、紫外線を避け、摩擦を控えるなどの基本的なケアを続けることも大切になります。
ピコレーザーのダウンタイム中の過ごし方

ピコレーザー後のダウンタイム中の過ごし方のポイントは以下の通りです。
- 患部に刺激を与えない
- 紫外線対策を徹底する
- 保湿をしっかり行う
- 血行が良くなる行為は避ける
- 処方された内服薬・外用薬を正しく使用する
- 生活習慣を整える
ここでは、上記6つのポイントについてそれぞれ解説します。
患部に刺激を与えない
施術後の肌はデリケートな状態となっているため、患部に刺激を与えないことが大切です。
スクラブ入りの洗顔やピーリング、アルコールが強い化粧品などは控え、クレンジングや洗顔も、こすらずやさしく行いましょう。
また、タオルで顔を拭くときも、押さえるように水分を取るようにしてください。
かさぶたができた場合は、無理に剥がさないことも大切です。
触ったり引っかいたりすると、色素沈着につながる可能性があります。
ダウンタイム中は『肌を触りすぎない』ことを意識して過ごしましょう。
紫外線対策を徹底する
ピコレーザー後の肌は、紫外線の影響を受けやすくなっています。
日焼けをすると色素沈着が起こる可能性があるため、紫外線対策は欠かせません。
外出時は日焼け止めを塗り、帽子や日傘なども活用することが大切です。
曇りの日や室内でも紫外線は届くため、日焼け止めを毎日欠かさず塗りましょう。
長時間外にいる場合は、2〜3時間おきに日焼け止めを塗り直すことも意識してみてください。
保湿をしっかり行う
ピコレーザー後は、肌が乾燥しやすくなります。
乾燥が進むとバリア機能が弱まり、赤みやトラブルが起こりやすくなるため、普段以上に保湿を意識することが大切です。
低刺激の化粧水やクリームを使い、肌を乾燥から守りましょう。
クリニックからワセリンなどが処方された場合は、指示通りに使用してください。
血行が良くなる行為は避ける
施術後しばらくは、血行が良くなる行為を控えましょう。
激しい運動や長時間の入浴、サウナ、飲酒などは、赤みや腫れを強めることがあります。
炎症が長引くと、色素沈着の原因になる可能性もあります。
入浴は短時間で済ませ、運動も軽いストレッチ程度にとどめて、体を過度に温めないようにしましょう。
ダウンタイム中は、体を休ませることが大切です。
処方された内服薬・外用薬を正しく使用する
クリニックによっては、内服薬や外用薬が処方されることがあります。
これらは炎症を抑えたり、色素沈着を防いだりする薬のため、医師の指示に従って正しく使用することが大切です。
自己判断で使用を中止したり、量を変えたりしないよう注意しましょう。
生活習慣を整える
ピコレーザー治療ではターンオーバーが正常に行われることが重要になります。
睡眠不足や栄養バランスの偏った食事は、ターンオーバーが滞る原因になるため注意が必要です。
バランスの整った食事を心がけ、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
規則正しい生活を送ることで、肌のターンオーバーがスムーズに進みやすくなります。
ピコレーザーのダウンタイムに関するよくある質問

ピコレーザーのダウンタイムに関するよくある質問をまとめました。
- ピコレーザーのダウンタイム中は仕事を休むべき?
- ピコレーザーの施術後はいつから化粧ができる?
ここでは上記2つの質問についてそれぞれ解説します。
ピコレーザーのダウンタイム中は仕事を休むべき?
ピコレーザーはダウンタイム中の症状が比較的軽い治療のため、必ずしも仕事を休む必要はありません。
ピコトーニングやピコフラクショナルなどの出力が低い施術では、赤みが軽く出る程度で、日常生活に大きな支障が出ないことが多いです。
薄いかさぶたができる場合もありますが、化粧でカバーできます。
ピコスポット治療の場合、屋外で長時間作業をする職業の方の場合は注意が必要です。
施術後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、十分な対策が難しい環境であれば、数日休むことも検討しましょう。
また、人前に立つ機会が多い職業の方の場合、赤みやかさぶたが気になることがあります。
人目が気になる場合は、数日休むことを検討してみてください。
仕事内容やスケジュールに合わせて判断することが大切です。
ピコレーザーの施術後はいつから化粧ができる?
ピコレーザー後の化粧の再開時期は、施術の種類によって異なります。
- ピコトーニング:施術直後から可能だが、翌日からの再開推奨
- ピコフラクショナル:肌の赤みが引いた頃から可能。通常1~2日後
- ピコスポット:照射部分を避けて、翌日から可能
いずれの場合も、なるべく低刺激の化粧品を使用し、クレンジング時に強くこすらないことが大切です。
肌の状態を確認しながら、無理のないタイミングで再開しましょう。
まとめ
ピコレーザーのダウンタイムは数日〜2週間程度が目安ですが、ピコトーニング・ピコフラクショナル・ピコスポットなどの照射モードによって異なります。
ダウンタイム中の症状は比較的短期間で落ち着くことが多いですが、赤みや腫れ、かさぶた、色素沈着が生じることもあります。
症状の現れ方や回復のスピードには個人差があるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
あや皮フ科クリニックでは、ピコレーザーによる多様な肌トラブルの治療に対応しています。
シミやくすみ、毛穴の開きなどの肌トラブルにお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
監修者情報
あや皮フ科クリニック 院長
山口 綾(やまぐち あや)医師
資格・所属学会
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
- 日本皮膚科学会 正会員
- 日本美容皮膚科学会 正会員
略歴
- 2005年香川大学医学部卒業。京都大学医学部附属病院皮膚科、京都医療センター皮膚科、宇治武田病院皮膚科医長等を経て、2019年に京都市上京区にて「あや皮フ科クリニック」を開院。
- 一般皮膚科から美容皮膚科まで専門知識に基づき幅広く対応し、日々診療を行っている。
- 院長ごあいさつ
https://aya-hifuka.kyoto/greeting.html